
円形脱毛症は一般的には、硬化大の脱毛部分が頭部に表れる症状を言います。そしてAGA(男性型脱毛症)とは原因が少し異なります。
症状が全身に広がることもあり「単なるストレス」など安易な自己判断は避けて、医師の診察を受ける必要がある脱毛の症状です。根本的な発症の原因と合わせて、改善にむけて知っておくべき事項を紹介します。
目次
円形脱毛症の異なる症状と根本的な原因

円形脱毛症の原因として多くの場合「ストレス」が原因と言われますが、正しくは「ストレス誘因に過ぎない」とされています。
日本皮膚科学会の円形脱毛症ガイドライン(2010)は円形脱毛症の発症と精神的ストレスの関係について、「科学的根拠は乏しい。医師が個々の患者の精神的背景因子を見出し治療に生かす工夫・努力は望まれるが、安易にAA(円形脱毛症)とストレスの関与を唱えるべきではない」という見解を記しています。
症状は頭部の一部から全身に広がるものまで
症状は一般的に、「単発型」「多発型」「蛇行型」「全頭型」「汎発型」に分けられています。簡単に紹介します。
単発型は、硬貨の大きさの脱毛が頭部の1~複数個所に表れる症状です。
- 単発型は、硬貨の大きさの脱毛が頭部の1~複数個所に表れる症状です。
- 多発型は、複数の脱毛部があって繰り返し出る症状です。
- 蛇行型は、耳の上など側頭部から後頭部の生え際に見られる帯状の脱毛症状です。
- 全頭型は、頭部全体に広がる症状で、多発型から進行することが多いようです。
- 汎発型は、まゆ毛やワキ毛など顔から全身に広がり重症化した脱毛症状です。
円形脱毛症の主な原因は自己免疫疾患
前述したように、日本皮膚科学会の見解は「ストレスの関与を安易に唱えるべきではない」としています。ストレスは「誘因」で、主な原因は「自己免疫疾患」であると理解しておきましょう。
また、その他の原因として「毛周期異状」「内分泌障害」「自律神経障害」も挙げられています。自己免疫疾患には、体の一部から全身まで数多くの疾患が含まれます。皮膚に表れる疾患の1つが、円形脱毛症です。全身疾患には、関節リウマチが含まれます。
そして、アトピー性皮膚炎は、自己免疫疾患の皮膚症状と言われています。AGA(男性型脱毛症)がアトピー性皮膚炎と関連することもあり、10代から大量の湿ったフケが出る場合は原因の1つとなっている可能性もあります。
AGAの傾向が見られ母親にリウマチ症状が見られる場合は、アトピー性皮膚炎についても情報を集めて分析してみると良いでしょう。
円形脱毛症の40%以上はアレルギー要因を持つ
ウィキペディアを見ると、アトピー皮膚炎との関連のなかで「円形脱毛症の40%以上がアレルギー要因を持つ」と関連性を挙げ、「54%が親兄弟に円形脱毛症が認められる」と、傾向が記述されています。
同サイトを見ると、発症年齢について「30歳以下の発症が81.8%、特に15歳以下の発症が全体の4分の1を占めており若い世代に多いのが特徴」「生まれたばかりの幼児でも発症が見られ、男女比では、やや女性が多い傾向にある。生理や出産を機に悪化または治癒する事がある」と記述されている内容についても注目しておきましょう。
参考サイト:ウィキペディア
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改善を目指すにあたり知っておくべき3つの事項

円形脱毛症の基本的な原因は自己免疫疾患ですが、生活環境から生じるストレスを抱える人が多い現代社会であればなおさらです。
また、アレルギーの症状を遺伝的に持って生まれたことに起因することを考えると、誰にでも起こる可能性があます。同時に、再発リスクに囲まれているとも言えます。
1. 再発のリスクがあるなかで暮らしている
再発率も30%から40%と高い「全頭型は頭部全体に広がる症状で、多発型から進行する」と言われるように、症状が重くなることも考えられます。再発を防ぐためには、軽い症状であってもまず医師の診察を受けておくようにしましょう。原因の特定は、治療効果に影響を及ぼします。
生活環境の工夫も大切でしょう。リスクを抱えていることがわかれば、しっかりと向き合うことが必要です。
2. 円形脱毛症の改善にミノキシジルは◎だが、漢方薬は✕
改善にあたって、日本皮膚科学会のガイドラインを見ると、ミノキシジル外用の有効性を「単発型および多発型の症例に併用療法の一つとして用いてもよい」と記述しています。
円形脱毛症の原因は、AGA(男性型脱毛症)の原因とは違います。しかし、毛包が縮小するという点ではAGA治療のように血流促進効果があるミノキシジルの塗布は効果があるようです。
一方、漢方薬については「現時点では推奨できない」としています。アレルギーの傾向があることから漢方による体質改善に期待したくなりますが、治療に限れば「現時点では推奨できない」という見解です。
催眠療法や鍼灸治療は「行わない方がよい」、カツラについては「局所免疫療法が無効な多発型・全頭型・汎発型に用いてもよい」としています。
3. 再発防止のための体質改善は容易ではない
再発防止を考えるなかで、漢方も含め、食生活や生活習慣の改善は日々の生活でできるリスクのない取り組みと言えます。しかし、体質改善を言葉で唱えるのは簡単ですが、実際にはなかなか難しいということも考えておきましょう。
ウィキペディアによると「30歳以下で発症する割合が81.8%」となっています。幼児期から、部屋をきちんと掃除したり、通気性を確保するなどの住環境、そしてバランスの取れた食事を考えるとともに、乳幼児にストレスを与えない穏やかな家庭環境に心がける必要もありそうです。
大人になって発症した場合も、焦って無意味な民間治療に走るのではなく、症状と向き合って生活する覚悟を持つことも大切だと考えられます。
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おわりに
円形脱毛症は、「ストレスだから治る」と安易な自己判断は症状の悪化を生むリスクを伴います。自身の体質、家族の体質、子ども時代のアレルギー疾患の有無や育った環境などを思い出してみましょう。そのうえで、仕事や家庭などストレスが積み重なっていないかを確認してみます。
初めて発症した場合はもちろん、再発防止には医師の診断と治療、そしてアドバイスを聞いて生活習慣を見直すことが必要です。専門医を尋ね、信頼関係のなかでゆっくりと再発防止を考えることが大切です。
ハゲ薄毛研究所編集部
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