
AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)を考えるときに、何げなく「育毛剤」という言葉を使いますが、実は製品によって表示が異なる場合があります。
「育毛剤」「発毛剤」「養毛剤」について確認しておきましょう。こちらでは、各種で違う目的や効果についても詳しく紹介しています。
目次
「育毛剤」「発毛剤」「養毛剤」の違い

薬事法に基づいて簡単に言うと、育毛剤は「医薬部外品」、発毛剤は「医薬品」、養毛剤は「化粧品」という分類ができます。パッケージやボトルに必ず書いているので確認しておきましょう。
「育毛剤」は医薬部外品
育毛剤(医薬部外品)は、抜け毛予防や発毛、頭皮改善に効果がある成分を含む育毛剤のほとんどが該当します。ネットやホームセンターなどでも購入することができます。
「発毛剤」は医薬品
発毛剤(医薬品)には、第一類医薬品のリアップの主成分であるミノキシジルによる発毛効果が認められた医薬品が挙げられます。日本の製品で、リアップ以外の発毛剤はありません。ネットでも購入できますが、ドラッグストアだと薬剤師が不在時は購入できない医薬品です。
「養毛剤」は化粧品
養毛剤(化粧品)は、栄養や保湿成分を中心とした化粧品(分類上)で、抜け毛予防とともに髪の毛を健康に育てることを目的としています。
育毛剤と発毛剤も「治療や予防」につながる有効成分を含み一定の効果があるのに対して、養毛剤は穏やかな効果で副作用もほとんどないことが特徴だと言えます。
育毛剤関連の市場規模が拡大している
矢野経済研究所のプレスリリースを見ると、発毛・育毛剤の市場規模(平成15年度)は「672億円(対前年比102.8%)」で、植毛の市場規模「41億円(対前年比105.1%)」とともに伸びています。
一方、ヘアケア剤市場規模は「2,268億円(対前年比97.8%)」となり、育毛対策に効果が見込める「発毛剤と育毛剤」「植毛」に押される形となっている傾向が見られます。
参考サイト:矢野経済研究所
AGAの改善効果が期待できる育毛剤と植毛専門クリニックも増加
矢野経済研究所発毛・育毛剤の市場規模が拡大し、シャンプーなどのヘアケア剤市場規模が伸び悩む傾向にあることがうかがえます。
この背景には「男女とも抜け毛や薄毛の問題を抱える人が増えている」「育毛剤の有効成分の開発が進んでいる」「新たな女性用育毛剤の開発が進んでいる」などが考えられます。
女性が、これまで求めていた潤いのある長い髪の毛のためのケア以上に、食習慣やストレスなどに伴う頭皮ダメージや抜け毛などの悩みを解消する商品に注目していることにもなりそうです。
同時に、AGA治療専門クリニックや植毛を行うクリニックも増えています。ネット情報を通して、AGAや薄毛を放置せず、改善に向けた意識が拡大していることも影響していると考えて良いでしょう。
育毛剤(医薬部外品)の種類と期待できる効果

現在、ネットやドラッグストアなどで数多くの育毛剤(男女兼用・女性専用も含む)が販売されています。しかし、大きく分けると3つのタイプに分類することができます。
「AGAの遺伝要因に関わる男性ホルモンを抑制するタイプ」「毛母細胞の活性化を促すタイプ」「頭皮改善と血流促進を促すタイプ」です。複合的な働きもありますが、タイプごとに特徴を見てみましょう。
AGAの遺伝要因に関わる男性ホルモンを抑制するタイプ
抜け毛シグナルにつながる強い男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の抑制を目的としています。有効成分として、ノコギリヤシ、大豆イソフラボン、オウゴンエキスなどとともに、M-034(ミツイシコンブ抽出液)のような注目成分などが含まれます。
毛母細胞の活性化を促すタイプ
髪の毛は毛母細胞が活発に分裂することで伸びていきます。抜け毛の増加に対して、「発毛を促進する」効果が期待できます。この成長に期待するのが「成長因子(グロースファクター)」で、「KGF(=FGF-7)」(細胞を活性化する成長因子)」というキーワードです。KGF産生につながる育毛剤もあります。
AGA専門クリニックの一部は治療法として、成長因子を注射などで投与するHARG療法や育毛メソセラピーを行っています。
頭皮改善(保湿・抗酸化と抗炎症効果)と血流促進を促すタイプ
センブリエキスやニンジンエキスなど育毛剤に一般的な成分や、保湿成分として亜鉛、抗炎症作用としてグリチルリチン酸などがよく知られています。
頭皮の保湿と炎症による刺激を防ぐことは抜け毛予防の基本です。同時に、血流促進によって頭皮柔軟化と発毛促進につなげる必要があります。
こうした有効成分は製品ごとに異なり、さまざまな植物抽出エキスが登場しています。多くが漢方などを参考に効果を導き出していますが、個々の成分の組み合わせと「効能」を理解すると、自分に合う育毛剤を選ぶ参考になります。
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発毛剤に期待できる効果

医薬品として販売されている育毛剤です。現在、多くの育毛剤が登場していますが、医薬品(第一類医薬品)として「発毛効果」が認められ、発毛剤として薬局やネット通販で購入できる日本の製品は、大正製薬のリアップだけです。
血管拡張作用により発毛を促す
リアップの主成分が、ミノキシジルであるという点につきます。ミノキシジルは血管拡張作用があり、血流の促進が「発毛を促す」ことは科学的に認められています。
ミノキシジルの発毛効果が高血圧治療薬の副作用として多毛症が認められたことに起因しており、現在、AGA専門クリニックの治療でもミノキシジルの塗布(一部は経口タブレットも採用)が行われています。発毛剤は、育毛剤よりも強く作用すると考えて良いでしょう。
養毛剤に期待できる効果
男女問わず、抜け毛や薄毛が気になりだしたら、養毛剤よりも育毛剤の方が効果は高いと言えます。逆に現状で大きな薄毛の問題がなければ、先の心配ばかりして刺激の強い育毛剤を使うよりも養毛剤のほうが賢明だという考え方もあります。
ヘアケア化粧品で頭皮の潤いや清潔感を保つのが目的
養毛剤の位置づけは、ヘアケア化粧品です。頭皮の皮質や潤いを保ち、フケを防ぐ成分などを含んでいます。緩やかな改善が目的で、特に男性のAGA(男性型脱毛症)や女性のFAGA(女性男性型脱毛症)の早急な改善にはつながりにくいと考えて良いでしょう。
ただし、潤いのある髪の毛を維持したいなど、抜け毛の改善が目的でなければあえて育毛剤を使う必要はありません。この考え方は、医師の見解としても紹介されています。
冒頭紹介したように、市場規模から判断すると「養毛剤」よりも「育毛剤」に選択の幅が広がっているとも考えられますが、ヘアケア化粧品は専門店もあるので頭皮や髪の毛の潤いが気になるだけで薄毛ケアまで必要としなければ検索して見つけることができます。
おわりに
薬事法第2条第2項には、医薬部外品について「脱毛の防止、育毛又は除毛」と定められています。ドラッグストアやネットで購入できる育毛剤のほぼすべてが、厚生労働省が指定する医薬部外品です。「人体に対する作用が緩やかなもの」であって、医薬品と化粧品の中間の位置づけとなっています。
医薬品 病気(疾病)の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているもの 医薬部外品 積極的に治療に用いられるものではなく、吐き気等の不快感、あせも、ただれ等の防止を目的として使用されるもの。また、口臭、体臭、脱毛の防止、育毛、除毛等の美容目的に使用されるもの。人体に対する作用が緩和なもの。 化粧品 人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために使用されることが目的とされているもの。人体に対する作用が緩和なもの。
[引用]:育毛研究室
つまり、育毛剤は「緩やかではあるがAGA改善効果につながる」ことが、認められているということになります。成分や効能を見極め、自分に合う育毛剤を選び信頼して使い続ければ改善につなげることができるということになります。
ハゲ薄毛研究所編集部
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