
AGA(男性型脱毛症)が進行してくると、最後の手段として自毛植毛を考えるようになります。言葉だけだと簡単ですが、実際には「費用?」「痛みは?」「本当に改善できるの?」といった様々な問題を考えてみる必要に迫られます。
現在の自毛植毛はさらに「デザイン」や「メンテナンス」面も意識した遊離植毛手術が標準となっています。定着率の向上はもちろん、安心して生活が送れるようになる進化した植毛技術を総称する「遊離植毛」について紹介します。
目次
90年近く前に始まった植毛手術の進化形が「遊離移植手術」
自毛植毛の歴史はとても長く、日本でも1930年代には研究が始まり手術も行われています。1960年代には、現在行われているメスを使わない植毛法「FUE法」の元と言われるパンチグラフト植毛が行われていました。
下記で、遊離植毛を含む3タイプの植毛法を紹介しますので、おさえておきましょう。
おさえておくべき植毛法3タイプを紹介

植毛法には様々な分類がありますが、簡単に分類すると「皮弁法(フラップ法)」「縮小法(スカルプリダクション)」、そして現在の主流となっている「遊離移植法]の3タイプに分けられます。
移植する髪の毛は、後頭部など一般的に脱毛症状が起きない部分から、髪の毛を1株ずつ採取します。「株」という表現は、1個の毛穴から1~3本の髪の毛が生えていることから使われる用語です。
皮弁法(フラップ法)
皮弁法は、皮膚ごと脱毛部分に移植する方法を言います。側頭部や後頭部の皮膚を切り取り、脱毛部分に移植するイメージです。
静脈や動脈ともに移植するので壊死が起こる確率が高く定着率にも影響が出るため、最近は行われなくなっています。
縮小法(スカルプリダクション)
縮小法は、脱毛した部分の皮膚を切り取って周囲の皮膚を縫い合わせる方法です。広範囲の薄毛を減らすためには何回も手術が必要で、最近は行われなくなっています。
遊離移植法!
現在行われている主な自毛植毛は「遊離移植法」と呼ばれ、毛包を「株」に分けて移植する方法です。株の採取方法によって、「FUE法」と「FUT法」に分けられています。
採取場所は主に後頭部のハゲない部分である点は共通していますが、FUE法は「毛包部分」を株としてパンチで採取して移植する方法が主流です。2002年に発表され、メスを使わず、切らないため縫合の傷跡が残らないことで注目を集めた植毛方法です。
FUT法は後頭部の皮膚を「1センチ×10~20センチ」で切り取った後、株に分けて移植する方法です。髪の毛の根元を切断するリスクが少ないためFUEより定着率が高く、どのクリニックでも「定着率は90%程度」と言われています。
採取部分のキズを簡単に表すと、FUE法は白い斑点、FUT法は横に長い手術傷と言えます。
遊離移植法(FUE法・FUT法)のメリット・デメリット

FUE法(株ごとに吸引して採取)もFUT法(後頭部から皮膚ごと切り取った後で株を採取)も、現在、日本の植毛専門クリニックで広く行われている自毛植毛の方法です。手術法とともに、メリットとデメリットを考えてみましょう。
実際の手術は、脱毛部分の大きさや、現在のAGA進行状況、あるいは本人の希望によって専門クリニックとの話し合いで決めることになります。
FUE法
「メリット」
・施術時間が短い
・痛みが少ない
植毛部分が小さいと、株の採取も植毛も比較的容易に行えるため施術時間が短くて済むのがメリット。
また、メスで切り取らないため痛みが少なく、回復も早いというメリットがあります。FUT法は移植する部分が小さい場合に効果的だと言えます。
「デメリット」
・手術をするクリニックによって定着率が左右されがち
・高い技術が必要なため、FUT法より料金が高い
採取した株は100%定着するわけではありません。FUE法は高い技術が必要となるため、自毛手術を受けるクリニックによっては定着率に影響が出る可能性があるのがデメリット。そして繊細な作業を行う手術のため、一般的にはFUT法よりも料金が高くなるといったデメリットもあります。
FUT法
「メリット」
・広範囲の移植にも対応が可能
・株の定着率が高く、料金的にもFUE法より安い
FUT法は、いったん後頭部から切り取った頭皮から株を採取するため、広範囲の移植にも対応が可能といったメリッがあります。そして、自毛植毛のなかでは料金面でも定着率の高さ(90%程度)でも、優れている点がメリットとして挙げられます。
「デメリット」
・FUT法と比べて、回復に時間がかかる可能性がある
傷は髪の毛が伸びると隠れてしまいますが、後頭部を皮膚ごと切り取るためツッパリ感が残ってしまいます。手術や植毛の負担、術後の回復もFUE法と比べると長くなる可能性が高いといったデメリットがあります。
デザインの違和感やメンテナンスを意識して植毛法を考えて
遊離植毛と言われる進化し続ける植毛法は、切り取った皮膚をそっくり移植部分に縫い合わせるという初期の植毛手術ではありません。負担は軽く、麻酔を使うため術中の痛みはほとんどありません。
しかも、最初のカウンセリングの段階で将来の髪の毛の状態をイメージしてデザインを行うため、植毛後の違和感はほとんど見られなくなっています。
痛みや費用の不安はもちろん、「デザイン」や「メンテナンス」といった植毛後のライフスタイルを考えて植毛手術に臨めば、AGAの悩みは大きく軽減されることは間違いないでしょう。
ただ、多くのAGA治療は症状が進んだ場合に行います。早い段階でAGA治療の相談をして、その改善状況によって自毛植毛を考えることで負担の軽減が減る可能性もあります。
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おわりに
移植専門クリニックによっては、紹介したFUE法やFUT法(遊離植毛と呼ばれている)をさらに改良して進化させた移植方法を採用しています。ロボットを使い、医師の技量だけに頼らなくても定着率が安定する植毛手術も行われるようになってきました。
しかし、移植を受ける側には自分自身で元の状態に戻す自己治癒力も求められます。採取した部分の「傷」と、植毛した部分の「定着」は大きなテーマです。手術は1日で終わっても、定着するためには1か月近くシャンプーやブラッシングなどの使用制限が出てきます。
この問題はいくら技術が進歩してもなくなることはありません。植毛のタイミングも重要です。専門クリニックと相談しながら、最善の結果となる自毛植毛を考えてみましょう。
ハゲ薄毛研究所編集部
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