
欧米では数万例を超える事例があるという「メディカルSMP」が日本でも行われています。発毛効果は正直ありませんが、ハゲた部分に毛根を描くAGA治療(医療)です。
発毛や植毛、あるいはカツラのように載せるわけでもなく「頭皮に黒い色の毛根(ドットのようなイメージ)」を特殊な器具とインクを使って描きます。インクは表皮の下の真皮層に堆積するので洗っても落ちることもありません。
イギリス生まれの注目のメディカルSMPですが、実際にどういうAGA症状の方に適しているのかを見ていきます。
目次
メディカルSMPの概要と効果について

SMPは「Scalp Micro Pigmentation」の頭文字に由来しています。頭皮に小さな色素を形成することをイメージすれば良いでしょう。AGAには大きく分けると「部分的あるいは広範囲にわたり頭皮が露出」「全体的に薄い」という2つのパターンがあります。
SMP治療を行う医療機関のホームページを見ると、SMP治療はどちらにも対応しています。「大きい効果の実感」という視点で見ると、スキンヘッドに近い状態(頭皮が露出している状態)と、分け目など部分的に薄毛が進行している場合に有効な治療法と言えそうです。少し解説してみましょう。
※SMPは、発毛効果があるわけではありません。
頭皮が露出している場合のSMP治療の効果
例えば、スキンヘッドで前頭葉部分が全脱毛状態であれば「毛根を描く」ことで全体に髪の毛が生えているように見せることができます。これが、SMP治療のもっとも代表的な例です。
一般的に欧米人は顔が小さく丸く整った形をしていてスキンヘッドでもあまり違和感がありません。SMP治療がイギリスで生まれ、欧米で広まった背景にはそうした背景もありそうです。最近は日本でも坊主頭には男らしい男性イメージがあります。日本人でも、おしゃれな治療法と言えそうです。
部分的に薄毛が進行している場合のSMP治療の効果
M字ハゲのように周りに長い髪の毛が残っているのに、こめかみ部分にSMP治療を行うと、見苦しい状態(剃りこみのような)になることをイメージしてもらえれば、理解しやすいと思います。
分け目部分や頭頂部が極端に薄くなった状態を考えてみましょう。クリニックのホームページでも、治療の対象となっています。
髪の毛を多く見せる方法は2つあります。
1つは、市販のヘアカラーを使い1本1本の髪の毛に染料を載せて太く強い「髪質」に見せる方法です。薄毛とは、1つの毛穴から2~3本生えるはずが1本になってしまうことから、全体が薄くなる状態です。1本の髪の毛を染料でコーティングすれば太く硬くなるため、薄毛の初期状態だと有効です。
もう1つは、SMP治療のように密度が薄くなった部分に黒い毛根を描くことで頭皮の地肌色を黒く見せる方法です。全体的に髪の毛が残っているので、M字ハゲの剃りこみとは見え方が違います。
SMP治療が、スキンヘッドの人の前頭葉や頭頂部と、薄毛の人の頭頂部や分け目の地肌色を黒く見せるために有効だと言われるのは、脱毛部分も髪の毛が生えているように見せるためです。
SMP治療に関して

前述を通してSMPはスキンヘッドに有効で、部分的な活用法についても見えてきました。実際には専門の医療機関で症状に応じた施術法などを決めることになりますが、ここでは施術の概要と実際に受ける場合の費用などを確認しておきましょう。
SMP手術って痛いの?タトゥーとの違いは?
マイクロニードルという専用器具を使い、インクを頭皮の浅い部分(真皮層)に着色します。医師か看護師の資格を持つ人だけができ、装飾目的のタトゥーとは異なるAGA治療のための医療行為です。当然、赤や青などの色は使いません。
実際の施術は頭皮に麻酔クリームを塗って行い、しかも短時間で終了するので負担や痛みは少ないと言えます。午前中に施術を受けて午後には仕事をする人もいるようですが、施術後は赤みや腫れが生じるので注意は必要です。
施術直後にシャンプーをすると色が落ちてしまうこともありますが、定着すれば2年に1回のメンテナンスで十分だと言われています。
かかる費用はAGA治療とほぼ同じと考えて良い
SMPには発毛効果はありませんが、治療を目的とした医療行為です。ただし、植毛のように頭皮にメスを入れる手術ではありません。ケースバイケースによるため「基準」を設定するのは難しいのですが、参考のために自毛植毛が100万円程度、AGA治療が年間50万円程度として考えてみましょう。
SMP治療を前頭葉全体に行った場合の費用は、50万円程度と見ることができます。範囲が狭いと30万円から、全頭だと75万円を基準に考えておきましょう。
また、部分的な薄毛部分の地肌の露出を目立たなくさせる場合は、15万円を基準に考えましょう。メンテナンスは2年に1回です。合計すると、プロペシアやミノキシジルによるAGA治療とほぼ同じだとも言えます。
カウンセリングから始める
SMP治療は、カウンセリング、内容の提案、血液検査(感染症予防)、予約から始めます。手術開始前10分前に来院、2時間程度(一般例)で終えます。合計2回から5回の手術で完了します。メンテナンスは2年に1回ほどで十分だということです。
症状やAGA進行状況、AGA治療との関わりも出てくるのでしっかり相談しましょう。説明を十分聞いて、納得したうえで行うのは他のAGA治療の場合とまったく同じです。
発毛効果がないのに欧米で広まったSMP治療のメリット・デメリット

発毛治療ではないので、薄毛部分のみSMP治療をしても根本的なAGA治療とはなりません。メリットとデメリットを簡単に挙げておきましょう。
スキンヘッドでもおしゃれが楽しめるという大きなメリット
スキンヘッドで男性らしいおしゃれを楽しみたい方にはおススメだと言えます。カツラのように頻繁にメンテナンスの必要もなく、2年に一度程度のメンテナンスを考えれば良いので、コストは抑えられます。
思い切ってスキンヘッドにして、おしゃれやスポーツを思い存分楽しむことになれば積極的な人生が送れるようになるかもしれません。
デメリットは薄毛の根本的治療とならないこと
発毛効果がないため、薄毛などAGA進行途中の根本治療とは言えません。一時的に地肌の露出による薄毛の進行を隠しながら、AGA治療と合わせて行うことが必要です。
M字ハゲの場合は剃りこみ状態に見えるなど、デザイン面から対応できる症状には限界があることも事実です。少なくとも、2年~5年間のAGA進行状況をイメージしたうえでMSP治療を行わないと、デザイン上好ましくない(例えば、M字のような部分の剃りこみ状態)変化を生じることも考えられます。
自宅ケアで成果が見られない、AGA治療でもプロペシアやミノキシジル効果が得られない場合は、専門医と相談しながら、デザインを意識した併用治療として考える必要があります。
おわりに
ヨーロッパでメディカルSMPが広まった理由は、前述の通り欧米人のAGAの傾向や容姿が影響していると考えられます。日本人も最近は頭の形が整った男性が多くなり、スキンヘッドがファッションとしても認知されていることを考えれば、自身の状態を考えて積極的にSMP治療を実践する男性が増えてくるでしょう。
現在は専門クリニックも少なく認知度がまだまだ低いのが実情ですが、新しいAGAの改善策として普及することは間違いなさそうです。
ハゲ薄毛研究所編集部
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