育毛剤に配合されるエチニルエストラジオールの効果と注意点

最近、注目を集めている育毛剤有効成分の1つに、「エチニルエストラジオール」があります。聞きなれないという方も多いかもしれませんが、エチニルエストラジオールは女性ホルモン剤の一種で、別名「エストロゲン」とも呼ばれています。男性ホルモンを抑制し、男性型脱毛症（AGA）の他、女性の薄毛や抜け毛症状にも効果があると言われています。

エチニルエストラジオールを含んだ育毛剤の特徴や効能、副作用などについてまとめてみました。

エチニルエストラジオール成分の特徴

育毛剤に配合されるエチニルエストラジオールは、元々女性ホルモン剤の一種であり、女性の更年期障害や生理不順、骨粗しょう症、乳がん、前立腺がんなどの治療薬として使用されてきました。

では、このエチニルエストラジオールには具体的にどのような効果があるのでしょうか？下記で確認をしてみましょう。

男性ホルモンの働きを弱める特徴

主な働きは、抗男性ホルモン効果です。男性ホルモンの過剰分泌を抑え、ホルモンのバランスを整える働きが、女性の薄毛や抜け毛症状、さらには男性型脱毛症（AGA）にも効果が期待できると考えられ、育毛剤にも使用されるようになりました。

エチニルエストラジオールと近い効果を持つ育毛剤成分には、「オキセンドロン」「スピロノラクトン」「ジエチルスチルベストロール」などが挙げられます。

いずれも男性ホルモンの働きを弱める作用があると考えられています。

エチニルエストラジオールに期待できる効果

前述で、エチニルエストラジオールの特徴について説明をしてきました。では、育毛剤に配合されるエチニルエストラジオールの具体的な働きをみていきましょう。

男性ホルモン「過剰分泌抑制」による脱毛症改善の効果

男性型脱毛症（AGA）は、「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が、DHT（ジヒドロテストステロン）という男性ホルモンを過剰に作ることによって引き起こされる症状。

エチニルエストラジオールは5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTを生成させないようにする効果があるのです。

同時に、毛根に存在する男性ホルモンの過剰分泌も抑制するため、脱毛症にも効果があると言われています。

男性・女性の薄毛や抜け毛改善に期待

男性の薄毛の90%以上は、男性型脱毛症（AGA）が原因だと言われています。また女性でも、加齢による女性ホルモン減少により、薄毛や脱毛に悩んでいる方もいらっしゃいます。

エチニルエストラジオールは、そういった男性・女性の薄毛や抜け毛の悩みに効果があると期待されています。

イソフラボンよりも育毛効果に期待できると言われている

また、イソフラボンなどにも男性ホルモンの抑制効果があると言われていますが、両者を比較すると、医薬品として活用されているエチニルエストラジオールの方が、育毛効果が高いと考えられています。

エチニルエストラジオールの副作用と使用上の注意点

育毛剤に配合されるエチニルエストラジオールの特徴や、期待できる効果についてここまでで説明をしてきました。

最後にエチニルエストラジオールで考えられる副作用や、実際に使用をするときの注意点について説明をします。大切な内容ですので、しっかりとご確認をお願いいたします。

頭痛や吐き気・血圧上昇の副作用が起きる場合がある

副作用や使用上の注意点についてもみていきましょう。エチニルエストラジオールの主な副作用には、頭痛や吐き気、胸の痛み、血圧の上昇などがあります。男性が服用した場合には、性機能障害を引き起こす可能性もあります。

重篤な副作用では、心筋梗塞なども起きる可能性が

また、重篤な副作用として、血栓症による心筋梗塞や視力低下、手足のしびれやめまいなどが起こる場合もあるようです。

しかし、これらの副作用はがん治療などの際に、医薬品としてエチニルエストラジオールを服用した場合に起こると考えられています。

使用量を守り長期的に継続をすることに注意

医薬部外品の育毛剤の場合は、配合量が規定されているため、使用量をしっかりと守って使用すれば、副作用の心配はほとんどないと言ってよいでしょう。

ただし、他の育毛剤もそうですが、効果が実感できるまでには数か月から半年ほどかかる場合が多いようです。個人の体質や症状によって効果の程度も変わってくるため、長期的な視点で焦らずに使用しましょう。また、生え際など特に男性ホルモンが強い部分に塗ることで、ピンポイントでの効果も期待できます。

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おわりに

エチニルエストラジオールは男女ともに効果を期待できる点、男性ホルモンの抑制効果がしっかりと認められている点が特徴です。特に、女性の薄毛や抜け毛症状に効果的な育毛剤はまだ少ないため、そういった点で期待ができる育毛剤有効成分だと言えるでしょう。