人の体に存在する生体内薬用成分の「アデノシン」には、育毛効果が期待できます。この育毛剤にも使用されるアデノシンとは、いったいどのような成分なのでしょうか。ここでは、アデノシンがどのように育毛に影響をあたえるのか、詳しく解説します。気になる副作用や使用するときの注意点もご紹介していますので、併せて参考にしてくださいね。
目次
アデノシンとはどんな成分?
アデノシンとは、アデニンとリボース(糖)が結合してできた核酸の一種です。アデノシンは、細胞が新たに生まれ変わるときのDNAの遺伝情報や、体がエネルギーを放出するときの働きに深く関わっています。このアデノシンは、毛乳頭細胞に働きかけて髪の成長を促すことが期待できる成分として研究が進められ、2004年には厚生労働省から育毛有効成分の承認を受けました。
アデノシンがもつ3つの育毛効果
アデノシンは育毛効果が期待できることから、育毛剤の成分としても注目を集めています。アデノシンが育毛に作用するのは、次の3つの効果が髪の成長をサポートするからです。
効果1. FGF-7を増やして育毛を促す
アデノシンは、発毛促進因子のFGF-7を増やす作用があることから、育毛効果が期待できます。FGF-7とは、成長因子の一つであり、毛母細胞の分裂をサポートして髪の成長を促進させるために欠かせない遺伝子のことです。そのため、FGF-7が不足すると髪の成長が悪くなり、抜け毛や薄毛の原因になると考えられています。アデノシンは、毛乳頭細胞の受容体に刺激を加えてFGF-7を増やし、髪の成長を助けます。
効果2. 髪の成長期を長くして抜け毛を防ぐ
アデノシンは、髪が育つ成長期を長くして、髪を丈夫に育ててることをサポートします。髪は成長期、退行期、休止期のヘアサイクルを繰り返しており、通常は2~6年の成長期を経て抜け毛が起こり、準備が整うと新たに髪が生えます。
ところが、薄毛の頭皮は成長期が短くなったり、休止期が長くなったりして、髪が育ちにくい環境になっている状態です。アデノシンは、毛母細胞の細胞分裂を助けることから、成長期を延ばして抜け毛を防ぎ、ヘアサイクルを正常にすることに役立ちます。
効果3. 血行を促進して髪の成長を助ける
アデノシンは血管を拡張して血行促進効果があることから、髪の成長に重要な栄養と酸素を血液にのせて毛乳頭へ運び、育毛をサポートします。頭皮の血流不足は薄毛の他にも、フケや頭皮のニキビなど、さまざまな頭皮トラブルの原因になります。アデノシンの血流促進効果は、頭皮環境を改善して健康な髪が生えやすい状態にします。
アデノシンが効果的な薄毛のタイプとは?
アデノシンが毛母細胞に直接働きかけて、髪の成長を助けることがおわかりいただけたと思います。しかし、薄毛のタイプはさまざまであり、髪のお悩みにも個人差があります。そんな中で、アデノシンは次のような薄毛のタイプに効果が現れやすいといわれています。
1. 髪のボリュームが減ったと感じる方
アデノシンは、髪のコシやハリがなくなり、ボリュームが失われてきたと感じる方におすすめの成分です。髪が細くなる原因には、毛母細胞の細胞分裂が正しく行えず、ヘアサイクルの成長期が短くなっているため、太く丈夫な髪に成長しなくなっていることが考えられます。アデノシンの作用で髪の成長期が長くなり、毛乳頭に十分な栄養と酸素を運ぶことができれば、健康な髪を育ててコシやハリを取り戻すことに役立ちます。
抜け毛が増えたと感じる方
シャンプーや起床時の枕を見て、抜け毛の量が増えたと感じる方にもアデノシンの効果は期待できます。抜け毛が増えるのは、毛母細胞の働きが弱くなり、髪の成長期が短くなったことが原因で、十分に育たないうちに髪が抜けている状態です。アデノシンが毛乳頭細胞を刺激して、細胞分裂を促進させるFGF-7を増やすことができれば、ヘアサイクルを正常に戻して、抜け毛を防ぐことをサポートします。
アデノシンを使用するときの注意点
アデノシンは人の体内にもともと存在する成分ですので、基本的には副作用の心配はないといわれます。ただし、アデノシンが使用されている育毛剤には、保存料など添加物も含まれているので、まれに発赤やかゆみの症状がでることもあるため、湿疹などを引き起こしやすいアレルギー体質の方は、注意して使用することをおすすめします。
また、アデノシンの効果には個人差があり、次にご紹介するような方は効果を実感することが難しいと考えられます。
注意点1. AGAには効果が現れにくい
AGA(男性型脱毛症)の薄毛には、アデノシンの効果が出にくいといわれます。AGAの原因は、主に男性ホルモンのジヒドロテストステロン作用によるものです。そのため、AGAの改善には男性ホルモンの分泌を抑えてヘアサイクルを正常に戻すことが最も重要であり、アデノシンの作用だけで薄毛の改善をすることは難しいといわれています。
注意点2. 日常的にカフェインを飲んでいると効果が出にくい
日常的にカフェインを飲む習慣がある場合は、カフェインがアデノシンの作用を抑制するため、アデノシン効果が現れにくくなります。コーヒー、紅茶、緑茶など、カフェインが多く含まれる飲み物を1日に何度も飲む習慣がある方は注意しましょう。
おわりに
今回は、体内に存在するアデノシンに隠された育毛効果についてご紹介してきました。アデノシンは、細胞分裂やエネルギーの放出などに深く関わりのある成分であり、毛母細胞を刺激して髪が成長を助けることができます。しかし、AGAなど薄毛のタイプによっては効果が出ないこともあるため注意が必要です。また、アデノシンは基本的には副作用のない成分ですが、育毛剤に含まれる他の成分によっては、頭皮の炎症が起こる可能性もあります。使い始めは様子を見ながら使用しましょう。
ハゲ薄毛研究所編集部
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