市中を歩いていると髪の毛が薄い男性の後頭部や前頭葉が自然に目に入ってきます。日本人の薄毛平均率は約30%と言われており、40代までに3人に1人はAGA(男性型脱毛症)を発症していることになります。では、世界の状況はどうなのでしょうか。
その前に一言。肉類の摂取など食生活の違いが欧米諸国の男性にAGA発症率が高い理由と言われますが、本当にそうなのでしょうか。確かに肉だけ食べることはよくないかもしれませんが、髪の毛を育てるためには肉が必要です。
髪の毛に必要な栄養素を多く取る、欧米諸国のAGA事情を少し別の視点から見ると、私たち日本人がAGAの進行を遅らせるための重要な手がかりが見えてくるかもしれません。
目次
世界一ハゲが多い国は「チェコ(プラハ)」
気になる調査をアデランスが実施して、結果を世界最大の旅行口コミサイト・トリップアドバイザーが「薄毛世界地図」として公開しています。調査は10年ほどかけて現地で行ったということで、2009年に公表されています。
世界ランキングと、気になる日本のランクを見てみましょう。
気になる第1位から上位10位までのランキング
- チェコ(プラハ)42.79%
- スペイン(マドリッド)42.60%
- ドイツ(フランクフルト)41.24%
- フランス(パリ)39.24%
- イギリス(ロンドン):39.23%
- アメリカ合衆国(ニューヨーク・シカゴ・ロサンゼルス)39.04%
- イタリア(ミラノ):39.01%
- ポーランド(ワルシャワ):38.84%
- オランダ(アムステルダム):37.93%
- カナダ(モントリオール):37.42%
- ロシア(モスクワ)33.29%
- オーストラリア(シドニー)30.39%
- メキシコ(メキシコシティ)28.28%
気になる日本の順位は?
- 日本(東京)26.78%
- 中国(香港)24.68%
- シンガポール(シンガポール)24.06%
- タイ(バンコク)23.53%
- 台湾(台北)22.91%
- マレーシア(クワラルンプール)22.76%
- 韓国(ソウル)22.41%
- 中国(上海)19.04%
[参考] http://tg.tripadvisor.jp/Thinning/
薄毛世界地図から何が見えてくるの?
欧米諸国の男性とアジアの男性を比べると、「欧米諸国の男性」にハゲが多いと言えます。しかし、日本人のAGA発症率は40代で「30~35%」、50代で「43~45%」、60代で「50~52%」という数字があります。トップのチェコが42.79%だから、日本だと50代の男性と同じ割合です。つまり、発症年齢だけ見ると欧米人の方が10年ぐらい早いということもできます。
この原因には、食文化の違い、環境、気温差、生活習慣など様々あるでしょうが、AGAが万国共通の悩みであることに違いはありません。
世界各国の平均寿命を見ると
世界保健機関(WHO)発表の「世界保健統計2016」から、男性の平均寿命を見てみましょう。日本は「80.5歳」です。薄毛率でトップのチェコは「75.9歳」、続いて2位以下を見るとスペイン「80.1歳」、ドイツ「78.7歳」、フランス「79.4歳」、イギリス「79.4歳」となっています。チェコの男性は日本の男性と比べると5歳ほど平均寿命が短いから、髪の毛を育てる細胞の老化も若いうちから始まるのでしょうか。
しかし、日本人男性より薄毛率が低いアジア諸国の平均寿命は、韓国「78.8歳」、中国「74.6歳」、薄毛ランキングに登場していない国でAGA男性が少ないと言われるインドは「66.9歳」です。タイは「71.9歳」で日本人男性と比べると8歳も短くなっています。
また、スペインやドイツは日本人の平均寿命とほぼ同じなので、平均寿命が短いから若い年代からAGAが始まるということは仮説として成立しません。
髪の毛の色の違いがAGA発症リスクの違い?
西洋の男性と日本を含むアジア男性の違いを単純に分けると、金髪か黒髪かという点です。AGAの直接原因は、5αリダクターゼによって生成されたDHT(ジヒドロテストステロン)がアンドロゲンレセプターという受容体と結合し、ヘアサイクルが乱れて進行することが原因です。アンドロゲンレセプターの働きが「遺伝する」ことが原因です。髪の毛の色も遺伝します。
黒い髪の毛はどこで生まれるの?
日本人のような黒い髪の毛には大量の「ユーメラニン」と少量の「フェオメラニン」含まれています。金髪には「フェオメラニン」しか含まれていないそうです。この両方のメラニン色素を作っている色素生成細胞は「メラノサイト」と言われ、毛母細胞と同じ場所にあります。メラニン色素の生成でもう一つ注目したいのが、毛母細胞の上部にあるバジル領域の働きです。
バジル領域には二つの重要な働きがあります。「毛包幹細胞」は髪の毛の元となる細胞を作り、「色素幹細胞」も白い髪の毛を黒くする「メラノサイト」の生成をしているという点です。バジル領域で作られ、毛母細胞に移り毛細血管を通して送られた栄養素とともに髪の毛を生み出しています。
黒い髪の毛にするために一生懸命働くから髪の毛を育てる細胞の供給も活発?
「黒髪を作るために必要な原材料」と「髪の毛の原材料」がバジル領域という同じ場所で生成されています。この二つの細胞を生み出す活力が、黒髪のアジア人は「ユーメラニン」を持たない金髪の欧米人男性と比べると強いことが、AGAの発症が少し遅い一つの理由となっているのかもしれません。
おわりに
欧米諸国の男性はアジアの男性と比べると薄毛が多い理由が、「髪色の違いによる、細胞の活力の違い」という仮説になってしまいました。肉食を中心とした食生活だけでAGAの発症率や発症年齢の差を説明すると、肉を減らせばAGAは改善されるということになります。一方、薄毛ランキングに登場しないインド人に薄毛男性が少ない理由の一つとしてカレー文化が挙げられます。カレーには消化器官を整え、「血流を促進」する効果が期待できるスパイスが多く入っています。しかし、カレーばかり食べても改善はしないでしょう。
バジル領域の活力も血流促進も「頭皮」という畑で髪の毛の成長を支えていることは明らかです。AGA発症を遅らせるためにも、もう一度、栄養バランスと頭皮ケアに注意を向ける必要がありそうです。バジル領域の活性化には、アミノ酸を結合した「オクタペプチド-2」というペプチドが良いそうです。
ハゲ薄毛研究所編集部
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